熊野古道で、
JR西日本が無断で工事をして、
古来から残されてきた石垣を、
壊してしまったというニュースがやっていた。
アリの穴からダムは崩れると言う。
壊れるのは一瞬だ。
起因するのは、いつも決まって、
ほんの些細な出来事だ。
どれだけの人の
心、想い、記憶、思い出、歴史…
そういったものを幾重にも積み重ねて築いたものさえ、
壊れる時は一瞬だ。
人が無力だということを思い知らせるように、
人の努力を嘲笑うかのように、
あっさりと壊れる。
不思議なものだ。
歴史や思い出を振り返る時、
「あれだけのことがあったのに・・・」
という気持ちになる。
全てが水泡に帰すというのは、
実に、遣る瀬無いものだ。
だから、
長く維持していくということ。
長く続けていくということ。
それらは、それだけで、
計り知れない価値があるのだ。
そして、
計り知れないほど、困難なことなのだ。
PR